2013年度多摩市一般会計予算案に対する日本共産党多摩市議団の賛成討論①

※「2013年度多摩市一般会計予算案についての日本共産党多摩市議団の賛成討論」を①前半(歳入~民生費まで)、②後半(衛生費~)の2回に分けて、掲載します。

2013年度多摩市一般会計予算案についての日本共産党多摩市議団の賛成討論
       
2013年3月28日

10番石渡あきらです。日本共産党を代表して、第11号議案2013年度(平成25年度)多摩市一般会計予算に対し、可決の立場から討論します。
昨年の総選挙により、ふたたび政権が替わりました。民主党政権への怒りは極めて大きく、その不信が今回の選挙で再度自民党に政権を託そうとの選択に繋がったようです。圧勝に見える自民党ですが、これは4割の得票で8割の議席を得られる小選挙区制のゆがみにほかならず、民意がきちんと反映しているとはとてもいえず、投票した人たちも全面的に自民党に信を措き、「改憲・国防軍創設」などすべてをゆだね人ばかりではないことを肝に命ずるべきです。同時に、税金丸抱えの政党助成金はしっかり受け取り、国民そっちのけの離合集散を見せる新党について、私たちはもっと敏感であるべきでしょう。
以前の自公政権のもと国民皆保険、社会保障といったことがドンドン骨抜きにされ、小泉構造改革で、「痛みが伴う改革」の名のもとに国民の負担が急増する一方で、それと真っ向から矛盾する「自己責任論」がマスコミも含め巧妙に喧伝されました。そうした状況は今もほとんど変化がありません。公私を問わず拡大する非正規雇用、目減りする年金、社会保障と医療の改悪と、国民は理に欠けた痛苦を余儀なくされています。若い人の不安定雇用、認可保育園の各地での絶対的不足、老後の不安にさらされ、場合によっては漂流を余儀なくされる高齢者など、今日ほど憲法25条の意義が問われ、それに則った国の政策が必要な時はありません。しかし、安倍政権は国民の生活には背を向け、インフレによる数値上の景気回復に走ろうとしています。それは日本銀行の総裁人事にも露骨に表れています。あまつさえ改憲で戦争をする国へと日本を変質させ「国防軍」を保持しようと狙っています。現在の自衛隊を米軍と共に集団的自衛権を行使するに相応しい規模の軍隊にするためには、膨大な軍費が必要です。そうなると際限のない消費税の増税にもつながりかねません。消費税に関して言えば、これこそが税制を大本からゆがめ、逆進性を強める張本人です。消費税に依拠するのではなく、税の基本である累進課税を中心にし、税金逃れなどを規制する真っ当な税制の確立と、それに基づく富の再配分が急務です。そもそも一票の格差に関し、高裁レべルで相次いで違憲判決が出ているにもかかわらずそれに対し誠実な対応を見せない現在の政権党に、改憲を言う資格はありません。硬性憲法である日本国憲法は、その普遍的原理が時の政権により捻じ曲げられないよう改憲に対し極めて高いハードルを設けています。そうした原理を数の力で骨抜きにすることは、立憲主義の原則からも許されないことです。また、沖縄・辺野古の埋め立てについては、民主党政権当時野党だった自民党が「誠意のかけらも見えない」と批判した「だまし討ち」ともいえるやり方をそのまま真似して恬として恥じません。国内産業と食料自給率、医療さえ崩壊させかねないTPPへの参加については、わずか1年前に「政府(民主党政権下の)が『聖域なき関税撤廃』を前提にする限り、交渉参加には反対する(平成24年3月9日自由民主党「TPPについての考え方」)と明言していました。TPPに傾斜する当時の民主党政権を「二枚舌(同上文書)」と痛罵しておきながら、驚くべし、政権につくや否やコペルニクス的転回を示し、TPP反対を明記したJファイルについては「公約ではない」と平気で居直っています。
こうした、余りにも節操のない国政がまかり通る時にこそ、基礎自治体が「住民福祉の向上」にしっかり資することが必須です。今年度の予算を見ると、まず歳入において個人市民税が前年度比5億8100万円落ち込んでいるのが目につきます。この点は諏訪2丁目の建て替えにより若干の改善がみられる筈ですが、それだけではもちろん充分ではありません。本市の年齢構成を見るに勤労世帯をどう増やしていくか、さらにそうした世代が安心して働ける環境をどう構築するかが問われます。市としては市長の公約である「ニュータウンの再生」をどう具体化していくのか。UR任せにはしない市としての取り組みが必要です。同時に不交付団体に対する財源措置のない制度改正などに対しては、諸制度の福祉的普遍性から、本来、国がきちんと措置すべき事業には国が責任を持つよう強く要請すべきです。そして政府は何よりも不安定雇用を解消し、働く人の所得が増えるよう、真っ当な雇用環境の整備に努めることです。
減税後も歳入が微増で、本年度は16億2000万円が見込まれる都市計画税については、ニュータウン再生に必須なインフラのリニューアルにも適応できるようさらに強く国に対して求めるべきです。
いずれにせよ国政が地方政治に及ぼす影響は看過できないものがあります。現在の日本は、長期にわたって国民の所得が減り続け、経済が停滞・後退するという「成長しない国」になってしまっています。日本における働く人の所得・雇用者報酬は1997年を起点として、14年間に88%まで落ち込んでいます。同時期に欧米諸国の雇用者報酬が130%から190%程度と増えていることと比較すれば、一国の経済全体が停滞・縮小しているという、発達した資本主義国家では他に類例なき異常さを示しています。あまつさえ、それをさらに拡大しようとする現政権の無定見、無責任に対しては、地方からも「待った」の声を上げていかなければなりません。

以下、款別、事業ごとに討論します。

まず、歳入です。

基金繰入金の24億2798万円についてです。
財政調整基金9億7千万円、福祉基金8億2800万円、緑化基金から3億5210万円を取り崩す計画です。福祉基金は、保育所、児童館、学童クラブ、予防接種など、必要なときに、市民生活を支えるために使うという点では異存はありません。しかし、市民の視点から考えたとき、経常的な支出のために取り崩すとしたら、今後、基金が底をついたらどうするのかという疑問もでてきます。基金のあり方、今後の見通しなど整理し、市民にもわかりやすく説明することが必要です。

以下、歳出です。

総務費
「平和啓発事業」についてです。
この事業の一環として、初めて小学校5年生から中学校3年生までの子どもたちのなかで選抜された6名が、広島に実際に行き、原爆ドーム、平和祈念館、被曝碑などの史蹟を学習材料にして、平和について実地に学んでくることが事業化されます。それ自体、大きな意義があることですが、この子どもたちの体験を、どう活かすかが重要と思われます。8月25日に関戸公民館ホールで予定されている報告会のほか、授業など学校教育のなかで活かすために市長部局の担当課と教育委員会との連携を図っていただきたいと考えます。

 「ミニバス運行事業」についてです。
今年度のミニバス検討委員会では、「ミニバス南北線」のルート見直しが協議され、委員会の案としては、①「百草団地~和田中学校」ルートがなくなる、②愛宕を通るルートの創設、③市役所を通らない、などが出されました。先月、2月にはパブリックコメントがおこなわれました。今後、これにもとづいて、市の案が示され、来年4月からのルート変更ということになります。市役所や永山駅と駅近くの総合病院に、乗り換えなしで、最短の時間で、行きたいときに利用したいという百草団地住民の願いは、解決できません。この願いをかなえるために、ミニバス以外の方法、たとえば、「ディマンド型ワゴンタクシー」を導入することなども含め、検討することを求めます。

 「(仮称)百草団地会館改修事業」についてです。
改修の基本的要素として、高齢者、なかでも体が不自由な方が利用するさいの対応とともに、子育て支援にも配慮したいということが強調されました。実際に高齢者が、この施設を利用する場合、ハード的な対応とともに、必要な人の配置など、ソフトの点での対応をふくめることをぜひ、検討していただきたいと思います。

 「コミュニティセンター管理運営事業」についてです。
コミュニティセンター8館中4館が20年以上を経過しています。貝取こぶし館もひじり館も、もうすぐ竣工して20年になります。しかしこうした立派な施設を持っていても中長期の維持保全計画を持っていないことは市民の財産を預かる行政としての怠慢といわなければなりません。本年度6館でお風呂を廃止したにもかかわらず、廃止後のスペース活用の予算も計上されていません。躯体の維持管理は行政の責任です。指定管理者任せにすることなく市民の財産がいつまでも有効に活用されるよう、責任ある対策を求めます。

「複合文化施設等管理運営事業」についてです。
3億5005万円です。昨年当初予算5億円に比べ、30%の大幅減額になっています。指定管理者である財団は、基本財産3億3100万円のうち、次年度1億円、次次年度1億円を取り崩し運営にあてるとのことです。10年前に比べ、5億円近い削減になっています。多摩市にとって大きな財源の伴う施設であっても、25周年を迎えた今、大きな文化財産ともいえます。基本財産も特定財産も市民共有の財産の一部ともいえます。市民に愛されるパルテノン多摩であると同時に、運営状況など市民や議会に情報公開をきちんとしていくことが今重要ではないでしょうか。同時に「パルテノンならでは」「ここに来ないと聴けない、観られない」など、ツィクルス公演含め、特徴ある持続的なプログラムの実現に向けて、さらなる努力をすべきです。

民生費
「地域福祉事務経費」についてです。
 高校や大学進学を、家庭の経済的事情で諦めることはあってはなりません。地域福祉事務経費は生活保護世帯ではない家庭の子どもたちの進学への応援です。主な事業は相談と貸付ですが、預貯金がないこと、土地建物を所有しないことなど条件にはきびしいものがあります。少額とは言え返還義務がほぼないことは助かりますが、間口を広げて欲しいものです。

「生活保護法外事業」についてです。
新規の法外事業として生活保護需給世帯の小学4年生から中学3年生までの学習塾等の経費を支給するとして小学4年生から中学2年生までは年間10万円を上限に支給し、受験を控えた中学3年生については年間15万円を支給するものです。子どもたちへの勉学への応援として望ましいことです。都や市にさらなる改善を求めます。

「障害者自立支援推進事業・特定相談支援事業」についてです。
 国の法改正のなかで始まる相談事業です。計画相談支援というプランづくり、支援の決定、サービスの維持、モニタリングなどを行います。これまでとちがい受ける事業者には法にもとづく報酬が支払われますが、単価が低いこと、また専門相談員については都の研修を受けることなど、体制が整わず4月からは市が事業主体にならざるを得ませんでした。相談員として1名の嘱託職員が配置されます。将来的には社会福祉協議会や民間事業者にゆだねる予定ということですが、市がスキルを高め相談事業のノウハウを伝えて欲しいと思います。また、この相談を受ける利用者に自己負担なしということは、評価できます。

「こどもプラン推進事業」についてです。
664万5千円は新システム稼働に向けての新規事業です。ニーズ調査、計画策定をすすめるとのことです。今年も多摩市内では、保育園入園を希望してもそれがかなわない待機児が生まれます。保育枠を広げる取り組みを積極的に進めてきた点は評価できますが、1歳児では保育園に入れないので育児休暇を途中やめ0歳で入所するという現状は改善しなくてはなりません。保育や幼児教育のニーズに的確なアドバイスをするコーディネーターや、保育士不足解消の再就職支援制度の確立などもすすめることが必要です。

「病後児保育事業」についてです。
ニュータウン地域にはいまだに整備がおこなわれていません。長期に看護休暇をとれないで悩む家庭は多くなっています。早期の改善に取組むことを求めます。

 「(仮称)第一小学童クラブ建設工事」、および「学童クラブ運営事業」についてです。
 「(仮称)第一小学童クラブ建設工事」は、学童クラブの待機児童対策として新たな学童クラブが建設されるものですが、残念ながら、2013年度には間に合いませんでした。どういう原因で、待機児童数の予測を見誤ったのか?今後の教訓としても、きちんと把握することが必要です。そういうことが予測されたなかで、民営化を急いだ責任の所在もハッキリさせる必要があると思います。
 待機児童問題は、条例で、「おおむね10歳未満まで」と定め、必要によっては、小学校4年生まで利用できることになっているにもかかわらず、個別の学童クラブの待機児童状況によって利用できないということになっています。子どもたちには、個人差があり、条例通り利用したい児童が利用できるよう、待機児童解決と適正規模の学童クラブにしていくために、計画的な学童クラブの増設を求めます。学童クラブ連絡協議会などからの障害児の6年生までの受け入れ希望を実現するためにも、このことは必要です。
また、本館の学童クラブについては、公設公営を残すこと、学童クラブの質を高めるための施設、運営、指導員の資格などの基準を盛り込んだ新「学童クラブ条例」を早期に策定することを求めます。

 「生活保護費」についてです。
2013年度から、面接相談員が1名増で2名、就労支援相談員が2名増で3名に増えることになりました。いずれも、人件費の東京都の補助率10分の10です。これ自体は前進ですが、同時にケースワーカーの増員をおこなう必要があります。現状では、ケースワーカー1人あたり107ケースになっており、年度中にはさらに増えることは確実です。これでは、受給者一人ひとりに応じたきめこまかいケースワークも、また生活保護を必要とする方たちへの配慮も不十分にしかできません。いわゆる、不正受給の防止にも障害になります。なにより、職員の健康が心配されます。
 都や国に、ケースワーカーの人件費補助の制度化を求め、市としても最優先での人的配置を求めます。

「社会福祉法人認可検査事務経費」についてです。
 地方分権一括法に基づき、東京都から権限移譲により、多摩市として13法人を受け持つことになりました。認可申請から運営状況のチェック、解散命令など東京都は都職員と専門家を雇用しての体制をつくり進めていたものです。しかし本事業にかかる予算は72万円の社会福祉法人指導検査支援業務委託料と11万円の消耗品費のみです。4月1日から実施するのに、現在研修中という状況です。新たな事業です。東京都が行っている検査事務体制にふさわしい組織づくりができるような人的、財政的援助をしっかりと求めていただきたい。

「高齢者慶祝事業」についてです。
長寿を共に祝う会運営業務委託料は398万円と本年度と同程度の予算となっていますが、本年度の市民協働による祝う会は昨年度までのプロ歌手による祝う会と比べ、参加者が大巾に減少している問題をしっかりとふまえた取り組みが求められます。「参加者と一体の内容でよかった」との評価もありますが、内容とともに「参加したくなる」祝う会の魅力作りや情報発信にも努力が必要です。また、敬老祝い金は廃止されましたが、市長が自ら100歳以上の高齢者のもとに長寿のお祝いに訪れられ事は何にも勝るお祝いといえます。かわいい幼稚園児作品の心温まるプレゼントとともに今後も是非続けていただくことを要望します。
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by jcp-tama-shigidan | 2013-04-24 11:33 | 提言・政策
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